NHKスペシャル 「ママたちが非常事態!?~最新科学で迫るニッポンの子育て~」

とても勉強になる番組でした。ご覧になっていない方のために内容を一部紹介させていただきます。

私が印象に残った内容をいくつかPick Upしました。

・冒頭の場面で眞鍋かをりさんが「こどもと1対1になるのが怖かった」とおっしゃり、最初に登場するママはスケジュールを毎日いっぱいにして子どもと二人になるのを避けています。そのママは番組の中で「これは何の地獄かと思った。こんなの聞いていない」と言っています。

私も長女出産後は2人きりになるのがつらく、毎日子育て支援センターに通っていました。

でもこれは妊娠中にピークを迎えたエストロゲンというホルモンが出産後急激に減少し、不安や孤独をひきおこすためだとわかりました。

ではなぜエストロゲンにはそのような作用があるのでしょうか?

それは母親に共同養育を促すために人類が長い年月をかけて獲得した働きだったのです。

チンパンジーは5年に1度しか出産しませんが、人間は毎年でも子どもを産むことができます。それは共同養育ができなければなりたたないためなのです。

人間の女性にはもともと共同養育の本能があるのに、実際には日本では核家族化が急激に進み、夫は不在がちでベビーシッターなどの利用率も他の国と比較するととても低いそうです。

・お母さんたちを悩ませる赤ちゃんの夜泣き、こどものイヤイヤ期についても脳科学の観点から解明されました。

夜泣きは胎児のときの睡眠のリズムが夜活動し昼間眠るリズムだったから。

イヤイヤ期は、脳の目先の欲求を我慢することをつかさどる前頭前野が未発達なことが原因で、ここがゆっくりと発達する段階で次第におさまってきます。

登場した兄弟のお兄ちゃん。今までは弟におもちゃをとられたりするとたたいたり突き倒したりしていたのが、ある日弟におもちゃを貸せるようになる場面では思わず涙がこぼれました。

漠然と夜泣きやイヤイヤ期を過ごすのではなく、このような知識があるとお母さんも気持ちが楽になるのではないかと感じました。

・共同養育をし幼いころから赤ちゃんに触れ合うことによって母性のスイッチが入り、自分が出産してから母性が働くようになるのだそうです。母親なんだから子育てができて当然、というのは間違っていて、母親になるための準備である共同養育の経験の中で母性はゆっくりと育っていくものなのです。

・産後の夫への妻のイライラはなぜおきるのか?それは愛情ホルモンとも呼ばれるオキシトシンが深く関わっていました。研究でオキシトシンには愛情や愛着とは反対の攻撃性を高める働きもあることが分かりました。

つまり快い刺激が加わると愛情が深まりますが、不快な刺激が与えられると子育てを邪魔する相手とみなし攻撃的になるというのです。

私が長女出産後、ほとんど家にいない夫に対してどうしようもなくイライラした気持ちになったのはこれが原因だったとわかりました。

・産後のお母さんは24時間常にストレスのかかった状態に置かれています。ただそんな中でも授乳の時間と他にもう一つ、夫が妻と向き合って話を聴いていた時間にはリラックスしていることが分かりました。

夫ではなくても、お母さんに寄り添って話を聴く、お母さんを認めてあげる存在が身近にいることがとても大切だということです。

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この番組を見て、現在の状況を作っているお母さんを追い詰めている原因を、科学的な視点からお母さん自身や身近な人が理解することによって、お母さんも夫も精神的に楽になるのではないかと思います。

妊娠中にこの番組をみていただきたいです。

最後の言葉はドゥーラとしていつも肝に銘じてサポートしていますが、改めて気持ちを新たにしました。


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